1945年に終戦を迎えたとき、彼女の家族は満州のロシア占領を避けるために日本に移りました。別府のダンスホールでピアノを弾き始めたとき、敏子はわずか16歳でした。彼女の家族の新しい家にはピアノがなかったので、練習できる場所が欲しかったのです。彼女が初めてジャズ音楽を聴いたのは、テディ・ウィルソンのスイート・ロレーンでした。彼女はジャズを聴いてからのことを、「私はすべての時間とエネルギーを音楽に費やしました。私は聴いていたものがとても面白かったので、食べることも忘れていました。ジャズが生き方になったのです」と言及しています。彼女はジャズのレコードから音を書き起こし、演奏し、またスタイルや音楽的言語を学び、即興演奏の能力を向上させました。彼女がビッグバンドでジャズピアノを弾くために福岡へと移った17歳のときでした。
オスカー・ピーターソンとの偶然の出会い
日本でのフィルハーモニーツアー中、オスカー・ピーターソンは1952年に東京のナイトクラブで敏子の演奏を聴いたのでした。その偶然の出会いの後で、オスカーはプロデューサーのノーマン・グランツに彼女とレコーディングをするよう提案したのです。そのアルバムトシコのピアノは1953年にレコーディングされリリースされました。そのアルバムの力で、彼女はマサチューセッツ州ボストンのバークリー音楽大学にフル奨学金を与えられ入学しました。創立者のローレンス・バークは、敏子の才能と彼女が日本の女性ジャズ奏者であるという事実に感銘を受けました。米国国務省と日本の役人たちとの約一年間の調整の後で、バークは敏子を学生として登録する許可を受け、彼女にボストン行きの飛行機のチケットを郵送しました。1956年、穐吉敏子はアメリカへと旅立ち、バークリー初の日本人学生となりました。
バークリーを通しての手配で、彼女は1956年3月から週4晩に渡ってストーリーヴィルで演奏し始めました。また彼女はボストンに住んでいる間に、本格的にアルバムのレコーディングを開始したのでした！
彼女のジャズサウンドの形成
彼女は1959年にニューヨーク市に移り、ファイブスポット、バードランド、ザハーフノート、ビレッジゲートなどの有名なジャズクラブで演奏しました。彼女は61年と63年に日本でツアーをし、娘のマンデイが生まれてからの一年間日本に滞在しました。彼女は1967年にテナーサクソフォン兼フルート奏者のルー・タバキンと出会い、1969年に彼と結婚しました。彼らは1972年にロサンゼルスに移り、翌年には16ピースのビッグバンド秋吉敏子ジャズオーケストラ フィーチャリング ルー・タバキンを結成しました。
敏子は1970年代に自分のサウンドの実験を始め、日本の伝統的なテーマ、歌唱、楽器を作曲に取り入れました。彼女とルーはニューヨークに移り、1982年にニューヨークのアーティストたちとバンドを再結成しました。バンドは、クールジャズフェスティバルの一部として1983年にカーネギーホールでデビューしました。多作なジャズ作曲家、編曲家、また演奏家としての敏子の評判は、80年代から90年代にかけて成長しました。
敏子は1996年に、『ジャズと生きる』という名の自伝を完成させました。彼女はドキュメンタリー、特集インタビュー、その他無数のインタビュー、記事、およびブログの題材となりました。また彼女はアーツジャズマスターアワードの全米基金を授与され、2018年にはミッドアトランティックアーツ財団からリビングレガシーアワードを受賞しました。彼女のディスコグラフィーには60を超えるレコーディングがあり、彼女のビッグバンドのジャズアルバムは、14ものグラミー賞にノミネートされています。
私たちは、穐吉敏子の胸がわくわくするようなジャズ音楽を、2つの落ち着いたラジオステーション（ジャズピアノと軽いジャズピアノ）でご紹介できることを光栄に思います。無料でお聴きください。
